2024年をふり返って
昨年一年「森園知生の小説工房」にご声援をいただき、まことにありがとうございました。
拙著を読んでくださった方々に感謝申し上げるとともに、まだ読んでいただけてない方にはご紹介として、昨年(2024年)の創作活動をふり返ってみました。
(青文字またはタイトル画像をクリックすると作品が表示されます)
『ラフカディオの旅』出版(2024年2月1日)
2024年はラフカディオ・ハーン(小泉八雲)没後120年でした。小泉八雲といえば、来日後は松江で暮らし『怪談』を書いていた人、と思っていたのですが、じつは仏文学、英文学への造詣が深く、アメリカでは新聞記者をしながらクレオール文化を調査研究。東洋の宗教、思想にも……。そんな意外な人物像に興味を抱いて調べ始めると、なんと鎌倉、江の島も訪れていて……。と話せば長くなるのですが、彼の半生を辿る物語を書くことになりました。
小説を書くに至った経緯はコチラ ➡ ラフカディオ・ハーンは、なぜ日本人、小泉八雲になったのか?
没後120年ならば2024年内にドラマ化もされるんじゃないか、という目論見は外れましたが、今年(2025年)後期ののNHK朝ドラが小泉八雲夫妻を主人公にした『ばけばけ』に決定しました。
小泉八雲ことヘブン役のトミー・バストウさん(NHKニュースより)
「朝ドラ『ばけばけ』とラフカディオ・ハーン」はコチラ
今年(2025年)はきっとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)も注目されることでしょう。ドラマのキャラクターはさておき、本来のハーンの人となりを『ラフカディオの旅』で知っていただきたいと思います。
短編『蓮池』を当ブログに掲載(2024年3月23日)
鵠沼に、その名も「蓮池」という池があります。初夏を迎えると、蓮の花が池一面を覆います。かつて、その池は埋め立ての危機に瀕していましたが地元の人々の熱意で保存されることになりました。その蓮池の景色と私自身の幼いころの心象風景が重なり、『蓮池』という短編を書きました。
短編『海底の青磁』を当ブログに掲載(2024年6月29日)
私は、かつてサーフィンをやっていて波にもまれた時、ウェットスーツの中に小石のようなものが入ってきたと思ったら磁器の欠片だったことがあります。じっさい鎌倉の海辺では中世鎌倉時代の青磁片を拾えることがあるんです。そして昨今、海底に眠る沈船などを調査して歴史を解き明かしてゆく水中考古学が注目され始めたことからイメージが浮かび、女性考古学者とサーファーの出会いを描いた『海底の青磁』という物語を書きました。
ショートショート『死神』を当ブログに掲載(2024年9月3日)
9月3日は六代目三遊亭圓生師匠の命日。師匠の演目の中でも、私はとりわけ「死神」が好きで、師匠を偲びつつ『ショートショート死神』を書きました(5月に書いたものを命日を偲んで再掲)。タイトル画像は少し怖~い感じになってしまいましたが、物語は「癒し」を意識して書きました。5分で読めるショートショートですので読んでいただければ嬉しく思います。
『江の島弁天橋屋台の灯』出版(2024年9月15日)
江の島に架かる弁天橋には、かつておでん屋台がずらりと並んでいました。夕暮れ時には赤い提灯が燈り、それに誘われてついふらりと入ってしまったものです。潮風にまじるおでんの香りへの懐かしさとともに、そこで出会った人々の数奇な思い出話を書き留めておきたいと思い『江の島弁天橋屋台の灯』という物語にまとめました。
詳しいご紹介はコチラ
おかげさまで、地元メディアのいくつかに目をとめていただき、記事にしていただきました。
湘南経済新聞社(2024年9月23日)
江の島の「おでん屋台」が舞台の小説 地元作家・森園さんが実体験元に上梓
藤沢市地元情報誌「あいっこ(aicco)」(2024年12月21日)
「江の島弁天橋屋台の灯」は、江の島の在りし日の記憶
2025年も「森園知生の小説工房」をよろしくお願い申し上げます。