5.著作のこと

森園知生の著作ご紹介

■オリンポスの陰翳


 1964年の東京オリンピックで江ノ島の東浦はヨット競技会場となり、豊かな漁場は失われた。漁師一家に育った源蔵は島を出て横須賀、相模原の米軍基地を渡り歩き、やがてベトナム戦争に巻き込まれてゆく。同郷の恵子も島を出て学生生活を送る中、学生運動に関わって傷つく。故郷を失った二人はそれぞれの暗く長い旅路の果てに江ノ島を望む漁師町で再会し結ばれた。そして2020年、ふたたびオリンピックを迎える……。

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■ひぐらしの啼く時


 祐輔は学生時代のサークル仲間、のり子と再会。かつては気にもとめていなかった彼女に、なぜか惹かれてゆく。数年ぶりの再会だったが、じつは鎌倉時代の和田氏、三浦氏の末裔だった二人が、和田の乱、太平洋戦争と時を越えて波乱の時代に翻弄されながら出会いと別れを繰り返し、奇跡の再会を果たしたのだった。だが、のり子は……。

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■竜の棲む岬


 大波サーフィンの聖地・鎌倉稲村ヶ崎で、当時高校生だった竜一が行方不明になった。海難事故か、拉致か、殺人か? 不審船の影と海上保安庁の捜査。憶測と疑惑が交錯しながら27年の時が流れていた。竜一が生きて帰るのを密かに願いながら大波の到来を待ち続けるサーファーの敏男と悟志は、岬の洞窟に出入りする謎の老人に近づく。太平洋戦争の末期、予科練から伏龍特攻隊になったという老人は、竜一失踪の謎を解く鍵を握るのか?

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 海から見た稲村ヶ崎 -ドローン空撮-(表紙撮影メイキング

■春を忘るな


 鎌倉幕府の第三代将軍、源実朝は、甥の公暁に暗殺されたとされている。また、自身の和歌集『金槐和歌集』でも有名なことから、武将としてよりも繊細な文化人としての評価が高い。その一方で、自ら唐船を建造して渡宋を目指したという果敢な記録もある。「出でて去なば主なき宿となりぬとも軒端の梅よ春を忘るな」という歌を残してこの世を去ったとする『吾妻鏡』に記された「歴史」は、はたして「真実」なのか? 源実朝の実像と歴史の真相を問い直すこの小説は、中世を生きたひとりの若者、実朝の青春譚でもある。

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■かつて、そこには竜がいた


 海辺のサーフィンライフを求めてプロサーファーになった智志だが、災害救助に勤しむ自衛隊員の姿を見て、自身の人生に疑問を持ち始める。海軍の予科練から特攻隊員となった祖父の吉次郎に相談すると戦時中の意外な事実を知らされる。それを確かめるためにやってきたのは、奇しくも大波サーフィンの聖地・鎌倉稲村ヶ崎だった……。
 2021年「終戦の日」に因み、ブログ「鎌倉と江ノ島のはざまで」に連載した短編小説。

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■俥曳き俊輔の逡巡


 鎌倉で人力車の俥夫をしている俊輔は、寿福寺の山門前で持病に苦しんでいた曽我夫人を助けたことから懇意になる。旧別荘地の邸宅に住む夫人は未亡人。かつて学生時代は歴史学を専攻しながら箱根駅伝出場を目指していた俊輔は、苦い過去を背負いながら、しだいに夫人に惹かれてゆく。しかし……。

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■ショートショート『渚にて』


 稲村ヶ崎でサーフィンしていた男が浜へ上がると、見知らぬ少女がいた。陰暦の毎月15日に、そこで男が波乗りをするのには訳があった。そして、その少女は……。
 著者には珍しいメルヘンチックなSFショートショート『渚にて』はコチラ

■江ノ電鎌倉発0番線


 メーカーのシステム・エンジニアだった男が、ITの進化で第一線を追われ、関連会社に出向していた。慣れない営業の仕事で疲れ果てながらの会社帰り、鎌倉駅で江ノ電に乗り換えようとすると、覚えのない0番線というホームが現れた。見るからに旧型の車両で出会ったのは、恋人とのすれ違いを繰り返していた帝国海軍の二等水兵。かつて、2000年問題へのシステム対策を経験した男が、二等水兵とその恋人を救うことになる。
 第88回オール讀物新人賞最終候補となった森園知生のデビュー作、『江ノ電鎌倉発0番線』はコチラ

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