長崎・五島の旅(8)縦断クルーズ3

旧五輪教会聖堂地図
ここは、他の教会と違って、現在は宗教儀式を行っていないので、写真撮影可能な貴重な場所。


聖堂の天井は、他の教会と同様、リブ・ヴォールトと呼ばれるアーチ状(板張り4分割)で、「こうもりが羽を広げた時の形」に似ている。
※リブは肋骨。ヴォールトはアーチを平行に押し出した形状(かまぼこ型)のこと。


祭壇中央はイエスを抱くヨセフ


祭壇の左脇はイエス


祭壇の右脇はイエスを抱くマリア

このイエス、マリア、ヨセフの配置は教会ごとに異なっていた。
それぞれ、どんな意味があるのか? 今後要調査。


聖堂の側壁上部には、他のほとんどのカトリック教会と同様、イエスの生涯を描いた聖画が掲げられている。



祭壇前の仕切りの透かし彫り模様には「I,H,S」の文字が図案化されて彫りぬかれているものと思われる。知生のブログ記事(殉教の旅(1)ー鎌倉に残る隠れキリシタンの跡)でも記した通り、Ihsouz Xristoz(イエス・キリスト)の最初の三文字。後にラテン教会でIesus Hominum Salvator「人類の救い 主イエス」の略称となった例の図案と共通したものと思われる。(知生の私見)


告解室(懺悔をする部屋)
告解(懺悔)とは、司祭に罪を告白して神の赦しを得ること。司祭は神の代理人として、信者の告白に耳を傾け、神の名において赦す権限が与えられている。この写真は司祭(神父)が座る側と思われる。この素朴な告解室で、漁師の信徒が、どんな罪の告白を行っていたのか……。


ポインテッドアーチ型の窓
どうしても丸に十字の島津の家紋にも見えてしまう。島津家紋はキリスト教と無関係と言われているが……。
ナチスの鉤十字(ハーケンクロイツ )と寺の地図マークが同形異義なのと同じ?
 ※ポインテッドアーチ(尖頭アーチ)とは、ゴシック建築に特徴的な、先端が尖ったアーチのこと。


窓を開ければ~♬



教会の前は漁港。といっても、この五輪地区は二世帯の漁民だけで、その二世帯で五輪教会を管理しているとのこと。


入り江に迫る険しい山の峰に霧がかかり始める。


我々の乗る船(海上タクシー)が待ってくれている。
ここ(五輪)からは、この船で奈留島奈留港へ向かう。(地図

<< 前ページ(P7)へ戻る   次ページ(P9)へ続く >>

■各ページへのジャンプ

P1 羽田から長崎へ
P2 頭ヶ島
P3 中通島1
P4 中通島2
P5 福江島
P6 縦断クルーズ1
P7 縦断クルーズ2
P8 縦断クルーズ3
P9 縦断クルーズ4
P10 縦断クルーズ~みやこ別邸
P11 福江島 井持浦教会
P12 福江島 大瀬崎灯台
P13 福江島 堂崎教会
P14 長崎 夜景
P15 長崎市内巡り1
P16 長崎市内巡り2 孔子廟・オランダ坂・眼鏡橋
P17 長崎市内巡り3 出島・歴史文化博物館
P18 長崎市内巡り4 梅月堂・二十六聖人記念館 Fin

  1. 1.鎌倉のこと

    鎌倉の切通しシリーズ総集編
  2. 1.鎌倉のこと

    源実朝の謎(1) これが実朝の墓?
  3. 2.江ノ島のこと

    江ノ島ヨットハーバーの今昔
  4. 5.著作のこと

    森園知生の著作一覧
  5. 2.江ノ島のこと

    江ノ島に架ける橋
PAGE TOP