5.著作のこと

殉教の旅(4)― 長崎・五島(その6) ―

若松島

⑥キリシタン洞窟
若松島沖の船上からキリシタン洞窟を見ます。
この洞窟は、潜伏キリシタンの信仰と弾圧の歴史を今に伝える重要な場所です。幕末から明治初期、長崎各地でキリシタン弾圧が起きていました。明治元年(1868年)、「五島崩れ」と呼ばれる弾圧の際、3家族12人が迫害を逃れてこの洞窟に身を隠しました。若松港から船で10分の場所にあるこの洞窟は、奥行き50m、高さ5m、幅5mの十字型。海岸からは入口が見えず、絶好の隠れ場所でした。しかし、ある朝の炊事の煙が漁船に発見され、彼らは捕らえられ厳しい拷問を受けることになりました。この悲しい出来事は、禁教令が解かれる直前に起こりました。昭和42年(1967年)、苦しみに耐え信仰を守り抜いた先人たちをしのび、その悲しみを長く祈念するため、洞窟の入口には高さ4mの十字架と3.6mのキリスト像が建てられました。現在も毎年11月には、土井ノ浦教会の信者を中心に約100名が集まり、ミサを捧げています。(以上 「長崎しま旅行こう」ホームページより)


遠方に、白いキリスト像が見えてきました。


船が近づいてゆきます。
洞窟そのものは船からは見えません。だから身を隠すには都合が良かったはずです。ところが……。


信徒でないにもかかわらず……。


何か神々しいものを感じました。

⑦ハリノメンド
キリシタン洞窟から、さらに岬の先端へ行って岬を迂回すると……。(地図

ハリノメンドという場所があります。
五島弁でのことを「メンド」と言うそうです。つまり“針の穴”という意味だそうです。波の浸食によって出来たその穴が、マリアが幼子イエスを抱いている姿(聖母子像)のシルエットに見えるのだというのです。


近づくにつれ……。
なるほど……。


たしかに、今まで何度も見てきた聖母子像のシルエットと重なってくるから不思議です。
おそらく、私の脳内に刷り込まれた聖母子像のイメージと、この海食洞窟の形が重なってくる……のかもしれません。


若松大橋

ツアーの船は若松大橋(若松島と中通島を繋ぐ橋)を潜り、若松港へ向かいます。(地図


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若松港桟橋からの眺め
若松港へ到着すると「久賀島、奈留島、若松島縦断クルーズ」ツアーは解散となりました。(地図

次は、中通島頭ヶ島へ渡ります。(五島全体地図

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■殉教の旅(1)(2)(3)

殉教の旅(1)ー鎌倉に残る隠れキリシタンの跡ー
殉教の旅(2)― 東慶寺に残るキリシタンの痕跡 ―
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