1.鎌倉のこと

稲村ヶ崎(1) -鎌倉と江ノ島のはざま-

稲村ヶ崎は鎌倉の前浜(注)である「由比ヶ浜」と江ノ島寄りの「七里ヶ浜」の二つの浜をへだてるように突き出した岬です。まさに「鎌倉と江ノ島のはざま」を象徴する岬でしょう。
 注)「前浜」は中世においては鎌倉の海側地域一帯を表す地名(固有名詞)ですが、
    ここでは「front beach」の意味。


稲村ケ崎から見た七里ヶ浜と江ノ島

『「七里ヶ浜の磯伝い、稲村ヶ崎、名将の剣投ぜし古戦場~♬」新田義貞』に登場する『鎌倉』という歌を知る人はもう少いのではないでしょうか。このサイトを運営している私でも一番の出だしくらいしか知りません。(もちろん私は尋常小学校なんて行ってませんが)
『七里ヶ浜の磯伝い、稲村ヶ崎、名将の剣投ぜし古戦場~♬』。
名将とは新田義貞のことで、護良親王より北条氏打倒の綸旨を受けて鎌倉に攻め込みましたが、鎌倉は三方を山に囲まれ、一方は海という天然の強固な要塞都市でした。伝説では、鎌倉に攻め入るのに苦戦していた新田義貞が、この稲村ヶ崎から黄金の太刀を海に投げ込み、龍神に祈るとたちどころに潮が引き、軍勢を率いてその干潟を歩いて渡り鎌倉に攻め入ったと云われています。そんな日本中世史の古戦場として知られた稲村ヶ崎ですが、時代を超えてさまざまなものが行き交う場でもあります。それでは、徒然なるままにご紹介してまいります。

■稲村ケ崎(2) -謎の洞窟- はコチラ

ピックアップ記事

  1. 江ノ電鎌倉発0番線
  2. 『金星が見える時』「まえがき」に代えて(1)
  3. ショートショート『渚にて』
  4. 【連載小説】『俥曳き俊輔の逡巡』(全話)
  5. 【連載小説】『春を忘るな』まえがき

関連記事

  1. 1.鎌倉のこと

    「源頼朝の墓」とは何なのか? ―『春を忘るな』の周辺(6)―

    鎌倉の観光名所筆頭格の「源頼朝の墓」■「源頼朝の墓」とは言う…

  2. 1.鎌倉のこと

    鎌倉広町の森 お花見散歩

    我が家のベランダから隣の公園を見たら桜が、ほぼ満開。「広町の森でも行…

  3. 1.鎌倉のこと

    え? 鎌倉時代って竪穴式住居だったの?! ―『春を忘るな』の周辺(4)―

    中世鎌倉の町並みを想像してみる■水戸の黄門様よろしく源実朝が…

  4. 1.鎌倉のこと

    北条義時と大倉薬師堂 ―『春を忘るな』の周辺(1) ―

    源実朝暗殺事件に関わる『吾妻鏡』の謎めいた記述を探る■『吾妻…

  5. 1.鎌倉のこと

    稲村ケ崎(2) -謎の洞窟-

    サーフポイントから見える謎の洞窟■自然の浸食による海食洞では…

  6. 1.鎌倉のこと

    小説『春を忘るな』の連載を終えて

    連載のあとがき1.ご挨拶 連載小説『春を忘るな』をお…

  1. 1.鎌倉のこと

    鎌倉の切通しシリーズ総集編
  2. 1.鎌倉のこと

    源実朝の謎(1) これが実朝の墓?
  3. 2.江ノ島のこと

    江ノ島ヨットハーバーの今昔
  4. 1.鎌倉のこと

    稲村ケ崎(2) -謎の洞窟-
  5. 5.著作のこと

    森園知生の著作一覧
PAGE TOP