1.鎌倉のこと

『竜の棲む岬』のご紹介

小説『竜の棲む岬』出版

■稲村ヶ崎の洞窟に潜む謎

『竜の棲む岬』は鎌倉の稲村ヶ崎を舞台にした小説です。至高の大波の時にだけ開催されるサーフィン大会・稲村クラシックを前にして、当時、高校生だった一人のサーファーが姿を消しました。海難事故か、拉致か、殺人事件か? さまざまな憶測が交錯しながら27年の時が流れます。サーフポイントから見える岬の洞窟に謎の老人の姿が……。やがて老人の告白から、物語は太平洋戦争の末期へと遡ります。と、ここで、このブログで連載した短編小説『かつて、そこには竜がいた』を思い出していただける方がいるかもしれません。『かつて、』は『竜の棲む岬』への序章にしか過ぎなかったのです。でも、『竜の棲む岬』 の謎をここで明かすことは出来ません。ならば、さっそく読んでみようという方、ありがとうございます。コチラへどうぞ 
 ※電子書籍版、紙書籍版いずれもございますが、電子版の場合、Kindle端末をお持ちでない方もスマホ(iphone、アンドロイド)でKindle本(電子本)を快適に読むことが出来ます。やり方はコチラ ( iphone の場合、本を購入するときは、Safari→Kindleストア → Kindle本 で購入しなければなりませんが……。)(;^_^A)

 ※『竜の棲む岬』をご購入いただいた方は、この先をご覧にならなくてもよろしいかと思います。いえ、見ないほうが絶対いいです。

■書店で本を選ぶときは、まず「まえがき」を読んでから、という人へ

『まえがき』や『あとがき』を読んでからでないと、その本を買うかどうか決められない、という人がいます。はい、仰ることはわかるような気もします。では、しかたありません。私(著者)が、この物語を書くに至った、いくつかの体験をお話しして「まえがき」にかえさせていただきます。

■大波のサーフィン大会「稲村クラシック」


 今から36年前に、私は鎌倉の海辺の町に住むようになりました。サーフィンも少々(?)やってましたので、その日の海のようすを見てから家にサーフボードを取りに行ける暮らしがとても気に入ってました。そして、ナガヌマ・クラシックという大波サーフィン大会が前身となって1989年に第一回「稲村クラシック」が開催されたのですが、それを見た時の衝撃は今でも忘れません。その感動は、この小さなスペースではとてもお伝えできないので『竜の棲む岬』に描き込みました。ぜひそちらをご覧ください。ただひとつ言えることは、サーフィンは他者と競って勝ち負けを決める、たんなる「競技」ではないということです。「稲村クラシック」は最高の大波が来た時にだけ開催する、という絶対条件があるため、その後24年間、ビッグウェイブを待ち続け、2013年になってようやく第二回が開催されました。『竜の棲む岬』は、その長いウェイティング(待機期間)の物語です。「愛する人、友の帰りを待つ」という意味を含めて……。

■岬の洞窟


 稲村クラシックの行われるサーフポイント(稲村アウトサイド)から見える岬の先端に洞窟があります。自然の海食洞窟かと思っていたのですが、じつは太平洋戦争末期に、米軍の上陸作戦に備えて計画された伏龍特攻(※)の出撃口だということを知りました。そしてその特攻について調べたところ、様々な事実が見えてきたのです。稲村ヶ崎といえば、新田義貞の渡渉伝説、大波サーフポイントというのが私のイメージだったのですが、それが大きく変わりました。ここから先は『竜の棲む岬』をご覧ください。
 ※伏龍特攻の詳細についてはコチラ

 岬の洞窟をドローン空撮した記事はコチラ

■海岸の壁に描かれた炎の絵


 今から三十数年前、七里ガ浜の駐車場の長い壁に、大きな炎の絵が描かれていました。まるで縄文時代の火焔型土器の口縁部装飾のように力強く燃え上がる炎でした。おそらく落書きやストリートアートの類でしょうが、沖で波待ちしていると、その焚火のような炎から、あたかも熱線が放出され、ウェットスーツを通して温もりを感じるほど迫力がありました。また、海には流れ(カレント)がありますので、波待ちしている間に流されていたりするのですが、岸壁の炎の絵が灯台のような目印になって、どれだけ流されたかわかるのです。でも、いつの頃か、その絵も落書きと見なされ、行政によって消されてしまいましたが、私にとってはバンクシーの壁絵のように印象深い絵でした。うる覚えですが、その絵の下に「この絵を〇〇にいる竜一に贈る」というような添え書きがあったように記憶しています。どんな人が、何のために描いたのか? 竜一とは誰なのか? それは『竜の棲む岬』をご覧ください。

 さて、ここまでお話しすると、『竜の棲む岬』の登場人物に実際のモデルがいるのか? 実話をモデルにしたのか? と聞かれそうですが、その質問にだけはお答えできません。ぜひ読んで、感じていただきたいと思います。

 愛する人の帰りを待つ、すべての人に、この物語を捧げます。


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