小説『オリンポスの陰翳』は1964年の東京オリンピックの負(翳)を描くとともに2020東京大会への微かな希望(光)を込めた作品です。物語のラストに描いた大輔の想いは私自身の想いでもあります。オリンピックは、できればやりたかった……。登山にたとえれば、山の頂に立って世界を見てみたかった。でも遭難のリスクがあり、隊員の命が危険に晒されるならば、登頂がどんなに素晴らしいことであっても、下山を決断するのが真のリーダーです。 その想いを『須弥山登山隊』というショート・パロディーに込めました。『須弥山登山隊』はコチラ
でも、世の風向きは、やる方向に吹いています。おそらくやるでしょう。ワクチン接種が進み、リスクは減るかもしれない。もしかしたらうまく行く、という可能性はあります。登山隊には多くのスポンサーが多額の資金を提供していて、登頂を断念すれば、登山隊は借金返済に苦しむことになるでしょう。それでも命と借金回避を秤にかければ命を選ぶのが、信頼に足るリーダーだと、私は思っています。
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