5.著作のこと

漫画「トランプ大統領のバラマキ大作戦」

トランプ大統領は、共和党が議会の上下両院で過半数を維持した場合、米国の成人市民全員に5000ドル(約76万7000円)の配当を支給すると約束しました。「11月の中間選挙を見据えた、いつものトランプらしい思いつき」と思いましたが……。


「共和党を勝たせてくれたら、5000ドル差し上げます」と大統領は言った。


「全国民一律の給付だから買収ではありません!」と言ったかどうか知りませんが……。


「ようし、だったら共和党に入れよう!」と有権者は言うかもしれません。


共和党が勝ち、全国民一律に5000ドル(トランプ配当金)が支給された。
その結果、財政赤字が急増し、インフレが進み、アメリカ経済は破綻した……
となるのだろうか?

トランプ政権最大の超愚策か?

「共和党の政策として一律現金給付する」ではなく「共和党を勝たせてくれれば、一律5000ドルの配当金を出す」(“give all adult US citizens a $5,000 dividend if Republicans retain control of both houses of Congress.”)と言っており、「配当金」という表現は、えげつない、どうしようもなく卑劣な公約(トランプらしい、国民とのディールか?) ではあるものの、ある意味、清々しいほどあからさまな金権集票策です。

一方、日本でも、一律現金給付する、いわゆるバラマキ政策は繰り返し実施されてきましたが、名目上は国民救済のための経済政策を装っていました。しかし内実は金権集票に他ならず、配当金という言い方の方が、よほど率直・明解であり、潔さすら感じてしまうのは私だけでしょうか。

これまでの愚策に比べたら意外に「まともな」結果が出るか?

日本のバラマキ政策が集票目的であったとしても、その副次的効果?として経済活性化が期待されながら、結局、効果が限定的だったのは、ばら撒かれた金の多くが貯蓄に回ったり、もともと予定されていた消費(生活費)に充てられ、新たな消費活動につながらなかったからでしょう。

今回のトランプ大統領の大バラマキ作戦も、その目的が集票であり、経済政策でないことは明白です。しかし、もしかしたら(本当に「もしかしたら」ですが……)「大盤振る舞い」ゆえ、さらにアメリカ人気質ゆえに、みみっちい貯蓄でなく、大きな夢を実現する方向に消費されたら、「もしかしたら、結果として」経済活性化につながる可能性がないとも言い切れません。

まだ実施されることになるかどうかわかりませんが、実施された結果、財政赤字の超インフレの大失敗となったとしても他国の話(日本に影響ないとはいえませんが)。
経済政策の実験として高みの見物をしてみたいような気もします。

しかし、それにしても、トランプのディールに乗せられてアメリカ国民が共和党に投票するとしたら、嘆かわしく、アメリカも終わったなと思うのであります。

ピックアップ記事

  1. 【連載小説】『かつて、そこには竜がいた』全話
  2. オリンポスの陰翳 ――江ノ島東浦物語――
  3. 森園知生の著作一覧
  4. 竜の棲む岬
  5. 江ノ電鎌倉発0番線

関連記事

  1. 5.著作のこと

    ラフカディオの旅(1)― ギリシャで生まれ、アイルランドで育ち…… ―

    ハーンのアイデンティティ1.小泉八雲といえば怪談?ラ…

  2. 5.著作のこと

    【連載小説】俥曳き俊輔の逡巡(3)

    この記事は前回からの続きです■これまでの全文はコチラ…

  3. 5.著作のこと

    『オリンポスの陰翳』電子書籍化決定!

     新型コロナウイルス緊急事態による外出制限でご自宅に巣籠もりされてい…

  4. 5.著作のこと

    ウクライナ情勢に想うこと(2) – ゼレンスキー国会演説 –

    「ゼレンスキー国会演説」備忘録 2022年3月23日、ウクラ…

  5. 5.著作のこと

    短編小説『海底の青磁』(総集編)

    青磁の欠片をペンダントにしていたサーファーの翔一。それに目をとめた考…

  6. 5.著作のこと

    南鳥島が核のゴミ捨て場に?

    南鳥島が放射性廃棄物の最終処分場候補地に?昨今、レアアース資…

  1. 5.著作のこと

    森園知生の著作一覧
  2. 1.鎌倉のこと

    源実朝の謎(1) これが実朝の墓?
  3. 1.鎌倉のこと

    鎌倉の切通しシリーズ総集編
  4. 1.鎌倉のこと

    稲村ケ崎(2) -謎の洞窟-
  5. 5.著作のこと

    ラフカディオ・ハーンの見た鎌倉・江ノ島(総集編)
PAGE TOP