5.著作のこと

エネルギー自給が戦争を終わらせる――地熱エネルギーの未来と『金星が見える時』――

昨今のイラン情勢とエネルギー問題

昨今のイラン情勢は宗教対立の側面を持ちながらも、その根底にはイスラエル建国に端を発する領土問題が存在しています。こうした地政学的緊張が世界のエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖により世界経済に深刻な影響を及ぼしています。



食料とエネルギー資源の争奪が戦争をもたらす

戦争の原因は多様に見えますが、つきつめれば食料とエネルギー資源の争奪ではないでしょうか。
領土争いにしても、その本質は、土地そのものではなく、食料生産地や資源の存在を争奪し合っているのです。だとすれば、各国が食料とエネルギーを自給できる体制を築けば、戦争は大幅に減少するのではないでしょうか。(核兵器開発もまた、この争奪がエスカレートした結果にほかなりません)

現行エネルギーの問題点

火力発電

火力発電の燃料である石油・石炭・天然ガスは、その多くを輸入に依存しており、しかも海上輸送に頼らざるを得ません。特に石油や天然ガスは、ホルムズ海峡封鎖の影響を大きく受けるリスクを抱えています。加えて、CO2排出の問題も無視できません。

原子力発電

東日本大震災を契機に、原子力発電所は、いったんすべて停止されましたが、現在はさまざまな問題を抱えながら、次々と再稼働しています。(これについては2022年9月8日の当ブログ記をご参照ください)
この原子力発電の燃料であるウランも100%輸入に依存しており、輸送に伴う地政学的リスクは火力発電と同様に避けられません。また、事故のリスク、使用済み核燃料の問題も依然として解決されていません。(核のごみ」問題についてはコチラ


原発事故のリスク


核のゴミは満杯になりつつある

再生可能エネルギー

太陽光・風力・水力はクリーンで安全ですが、発電力の不安定性、設置条件への依存等の問題を抱えています。
(これについては2022年9月15日の当ブログ記事をご参照ください)

地熱エネルギー

地熱エネルギーもCO2 を排出しない再生可能エネルギーの一つに位置づけられますが、他の再エネとは大きく異なる特徴を持っています。



温泉と競合してしまう浅い地層による地熱発電

従来の地熱発電は、温泉と同じ浅い地層の熱源を利用するため、温泉資源との競合が問題視されてきました。実際、「温泉の枯渇につながるのではないか」という懸念も根強くあると同時に、「日本は火山国だから地熱に有利」という評価もあります。しかし、そういった浅い地層の熱源に頼る旧来の地熱発電とは根本的に異なる深層の地熱を利用する発電方法が模索されています。地球内部には膨大な熱エネルギーがあり、それは国、地域に関わりなく普遍的に存在しているのです。


この深層の地熱エネルギーを活用すれば、エネルギーの完全自給が可能になり、燃料の海上輸送、特にホルムズ海峡への依存は消滅します。さらに燃料の購入費、輸送コストも不要となり貿易収支の黒字化にもつながります。地政学リスクも消滅し戦争の大きな要因の一つは無くなります。そして、深層地熱は日本のみならず世界中普遍的に存在しているのです。

エネルギー革命の未来

では、なぜこの素晴らしい地熱エネルギーへの転換が進まないのか? 原子力発電は、事故による甚大なリスクがあるうえ、無害化処理できない使用済み燃料を排出し続けているのに、なぜこれに頼っているのか? その問題に立ち向かい、エネルギー革命の夜明けを目指す若者たちの物語が『金星が見える時』です。


金星が見える時

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