生成AIを使ってみたら
チャットGPTの功罪が議論になっていますね。
私は、使えるものなら有効に使えばよいではないかと思っていました。
そこで……。
試しに使ってみた
■私の質問
源実朝はどんな人ですか?
■チャットGPTの回答
源実朝(みなもとのさねとも)は、12世紀後半の平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した武士・文人であり、『玉葉』や『枕草子』などの文学作品を残したことで知られています。
実朝は、源義朝の孫にあたり、平清盛の娘婿でもありました。そのため、幼い頃から武士の道を歩み、後に平家に仕えることになりました。しかし、平家滅亡後には、兄・義仲が挙兵した源氏一門の中に加わり、一族の再興を目指しました。
実朝は武勇に優れた武士としても知られていましたが、同時に文学や和歌にも優れ、『玉葉』や『枕草子』などの文学作品を残しました。特に『枕草子』は、当時の日常生活や風俗を詳細に描写しており、平安時代末期から鎌倉時代初期の風俗や文化を知るうえで貴重な資料となっています。
しかし、実朝は鎌倉幕府の執権・北条政子の怒りを買い、妻子とともに配流されることになりました。
注)同じ質問をしても異なる回答が返ってくる場合もあります。
後日追記:時とともに学習はしているようです。
驚きました!
この程度のレベル? というか、とんでもなく出来の悪い子ですね。
①『玉葉』や『枕草子』などの文学作品を残した?
『玉葉』は公家の九条兼実の日記。『枕草子』は清少納言の作品ですよね。
②実朝は、平清盛の娘婿?
実朝の正室は公家の坊門信清の娘で、側室はおりません。
③後に平家に仕えることになりました?
母方の北条氏はもともと平氏がルーツと言えなくもないが、源氏将軍となり、一般的定説では右大臣になったとき暗殺されてしまったのですから「平家に仕える」とは、いったい何のことか?
④兄・義仲が挙兵した源氏一門の中に加わり、一族の再興を目指した?
義仲とは源(木曽)義仲のことでしょうか? 父・頼朝の従兄弟ではありますが兄ではないですよね。
「源氏一門の中に加わり、一族の再興を目指した」とは、いったい何のこと?
⑤鎌倉幕府の執権・北条政子の怒りを買い、妻子とともに配流されることに?
政子は執権ではないし、「怒りを買い、妻子とともに配流」は、いったいどこから出てきた新説なのか? 新説、新解釈なら、それなりの説明をして欲しいですよね。
以上は、私が「知っている」情報を試しに聞いてみたので、間違っている所は「間違っている」と分かりますが、「知らない事」を調べるために使って、その答えを信じて使ったらとんでもないことになる、ということが判りました。
いろいろな考え方のある学説、哲学論争ではなく、一般的に定説となっている情報ですら、このレベルです。私は、とんでもない新説、珍説は大好きです。そんな小説も書いています。でも独自調査に基づく斬新な新説であることを表明しています。さも「定説」であるかのごとく珍説、奇説、誤説を説くのはいけません。
なのに、国会答弁、行政に活用?!
私は小説を書く者ですので、得意でない法律上の確認(例えば、物語中の容疑者取り調べの拘留期間など刑事訴訟法に関すること)などに使えたら、時間をかけて調べなくてすむので便利だな、と思っていたのですが、こんな間違った情報を提供されて、正しいと思って使ったら大変なことになりますよね。
学校のレポートにコピペは言語道断ですが、AIがもっと学習して、お利口さんになって、正しい情報が得られるなら、どんどん活用すればいい。だけど、嘘は言わない。解らないことは「解らない」と言う。さも正しい情報であるかのごとく嘘を言うのだけは勘弁してほしい。
それでも……
では、いつになったらAIは正しくなるのだろう?
怖いのは、正しい情報を提供できるようになったと客観的に評価されるようになってから、大事な局面でさらりと嘘をつかれたら恐ろしいですよね。「○○国が、××国に戦争を仕掛けるべく準備中」な~んてね。
どんなにAIが利口で物知りになっても、鵜呑みにせず、自分で確認しなければならないのでしょうか? だったら、最初から自分で調べればよい、となってしまう。う~ん (;^_^A
■後日追記
この記事を書いてから約一年後の今(2024年4月29日)、私はけっこう生成AIを活用しています。Beingの画像クリエーターを使って当ブログの挿絵を描いたり、PCのトラブルやソフトの使い方で分からないとき質問して教えてもらったりしています。でも挿絵・イラストはたくさん提案してもらって、その中から良い物を選びますし(ほとんど使えないものが多いです)、PCトラブルでは、提案された対策を試せば、結果NGであったりOKであったりで、AIの回答を自ずと可否判断します。そういう使い方をしている限りは、とても良い(ありがたい)ツールだな、と思います。でも、AIの回答を、鵜呑みにしてそのまま実行に移すような使い方は、やはり今でも危険だと思っています。