5.著作のこと

東京2020に想うこと(2)

 前回の「東京2020に想うこと」を書いてから1年あまり経ちました。状況が変わったので、もう一度書きます。


「開催か中止か」の議論が終わらぬまま、いつのまにか「有観客か無観客か」になり、今は「開会式は入場制限の別枠で関係者1万人がどったらこったら」。

なし崩し」という言葉の模範的使用例。
「会場での酒類販売は見送り」で「規制努力はしてます」というポーズか?(5000円で売れればペイする商品に1万円の値を付け、交渉の末「勉強させてもらいますワ」と3000円値引いて7000円で売り、しめしめ、という商売の常道と同一レベル?)

 会場ではマスク着用。声は出さない。飲酒禁止。日本選手がゴール直前で抜き返し、逆転メダル獲得~!!!

となっても声は出さずに胸の中だけで歓声。無言のガッツポーズはOK? なんか気味悪~。
(お笑いコンビが刑務所に慰問した時、刑務官が「今日は〇〇が漫才を披露してくれることになった。みんな黙って静かに聞くように!」と言ったらしい。が、これと同じ)
 会場へは直行、直帰が原則。帰りがけ、店に寄って勝利の美酒に酔うなんて絶対ダメ。熱い興奮は胸に秘めたままマスクし、黙って電車に揺られて帰る。

ンなこと出来まっかいな? アホちゃう?(あえて関西弁で言ってみた(私、関西在住6年の経験あり))
 守れるはずのないルールを作っておいて、感染が広がったときには「ルールを守らない人たちがいたから……」という言い訳、責任転嫁の準備か?
 だったら、俺はテレビに向かってツバ飛ばして大声援送ってやる! 勝てば勝利の美酒! 負けても「良くやった!」と選手にエールを送りながら飲み、感涙にむせぶ! これがオリンピックの正しい見方でしょう。(「オンライン飲み会」のシステムをちょっと改良して、お友だちどうしみんなでTV中継見ながら盛り上がれるようにしてはどうか? ジャスト アイデアだが……) 
 1964年の東京大会の時だって、小学生だった私はテレビで興奮、感動していた。アンタだけじゃない! 個人の専売特許にするな!
 でも、「あの感動を、もう一度」は個人の感想でしょ。個人の想いで国民の命をギャンブルに賭けるのか?
 どんなに素晴らしいイベント(最高峰の登頂)であっても隊員の命にリスクがあるならば登頂は断念し、下山の決断をするのがリーダーの使命。(須弥山登山隊
と、私は今でも思っています。

【ご紹介】森園知生の著作一覧

ピックアップ記事

  1. 竜の棲む岬
  2. 【連載小説】『春を忘るな』まえがき
  3. 【連載小説】『かつて、そこには竜がいた』全話
  4. 江ノ電鎌倉発0番線
  5. 【連載小説】『俥曳き俊輔の逡巡』(全話)

関連記事

  1. 5.著作のこと

    【連載小説】かつて、そこには竜がいた(2)

    この記事は前回からの続きです。■これまでの全文はコチラ…

  2. 5.著作のこと

    ウクライナ情勢に想うこと(2) – ゼレンスキー国会演説 –

     2022年3月23日、ウクライナ大統領、ゼレンスキー氏が日本の国会…

  3. 5.著作のこと

    抑止力とは何なのか?

    ヘルメットから戦車の供与へ ドイツ、難産の軍事支援(産経新聞)…

  4. 代替テキスト『春を忘るな』

    5.著作のこと

    【連載小説】春を忘るな(4)

    ■この記事は前回からの続きです。■これまでの全文はコチラ。■…

  5. 5.著作のこと

    ラフカディオの旅(2)― エリザベス・ビスランドという女性 ―

    ハーンの人生に大きな影響を与えた女性その名はエリザベス・ビス…

  6. 代替テキスト『春を忘るな』

    5.著作のこと

    【連載小説】春を忘るな(5)

    ■この記事は前回からの続きです。■これまでの全文はコチラ。■…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 5.著作のこと

    ラフカディオ・ハーンの見た鎌倉・江ノ島(総集編)
  2. 5.著作のこと

    森園知生の著作ご紹介
  3. 1.鎌倉のこと

    源実朝の謎(1) これが実朝の墓?
  4. 1.鎌倉のこと

    中世鎌倉の港湾遺跡をドローンで空から撮影しました! ―『春を忘るな』の周辺(7)…
  5. 1.鎌倉のこと

    鎌倉の切通しシリーズ総集編
PAGE TOP