5.著作のこと

『オリンポスの陰翳』と『須弥山登山隊』

 小説『オリンポスの陰翳』は1964年の東京オリンピックの負(翳)を描くとともに2020東京大会への微かな希望(光)を込めた作品です。物語のラストに描いた大輔の想いは私自身の想いでもあります。オリンピックは、できればやりたかった……。登山にたとえれば、山の頂に立って世界を見てみたかった。でも遭難のリスクがあり、隊員の命が危険に晒されるならば、登頂がどんなに素晴らしいことであっても、下山を決断するのが真のリーダーです。 その想いを『須弥山登山隊』というショート・パロディーに込めました。
『須弥山登山隊』はコチラ

 でも、世の風向きは、やる方向に吹いています。おそらくやるでしょう。ワクチン接種が進み、リスクは減るかもしれない。もしかしたらうまく行く、という可能性はあります。登山隊には多くのスポンサーが多額の資金を提供していて、登頂を断念すれば、登山隊は借金返済に苦しむことになるでしょう。それでも命と借金回避を秤にかければ命を選ぶのが、信頼に足るリーダーだと、私は思っています。
■小説『オリンポスの陰翳』はコチラ

ピックアップ記事

  1. 【連載小説】『春を忘るな』まえがき
  2. 【連載小説】『俥曳き俊輔の逡巡』(全話)
  3. 竜の棲む岬
  4. 森園知生の著作一覧
  5. 江ノ電鎌倉発0番線

関連記事

  1. 5.著作のこと

    「遠い海の記憶」そして『オリンポスの陰翳』

     今、世の中では2020東京オリンピックの開催是非が議論になっていま…

  2. 5.著作のこと

    ラフカディオの旅(3)― 仏領西インドの二年間 ―

    西インド諸島への旅クレオールを求めてラフカディオ・ハ…

  3. 5.著作のこと

    【連載小説】春を忘るな(19)

    この記事は前回からの続きです。■これまでの全文はコチラ。■前…

  4. 5.著作のこと

    蓮池(3)― 追憶 ―(最終回)

    前回までのあらすじ坂本浩一は、一粒の蓮の種を窓から投げ捨てた。それは…

  5. 5.著作のこと

    抑止力とは何なのか?

    ヘルメットから戦車の供与へ ドイツ、難産の軍事支援(産経新聞)…

  6. 5.著作のこと

    「オリンポスの陰翳」編集合宿

     校正作業もほぼ終わりに近づき、表紙デザイン、帯のコピー検討のため、…

  1. 5.著作のこと

    ラフカディオ・ハーンの見た鎌倉・江ノ島(総集編)
  2. 2.江ノ島のこと

    江ノ島ヨットハーバーの今昔
  3. 2.江ノ島のこと

    江ノ島に架ける橋
  4. 1.鎌倉のこと

    鎌倉の切通しシリーズ総集編
  5. 5.著作のこと

    森園知生の著作一覧
PAGE TOP